「管理職教育・育成のエキスパート」

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   テーマ 113 頭脳と心をブラッシュアップする

■SQ(社会性の知能指数)

EQ (Emotional Intelligence Quotien)は、
アメリカの心理学者ダニエル・ゴールマン氏が

1996年「EQこころの知能指数」を
上梓して以来有名になった理論です。

内容を一言でまとめますと、
業績の優れた経営幹部と平均的な経営幹部とを比較すると、

業績の優れた経営幹部は、地位が高くなるほど、
EQの構成要素がリーダーとしての資質の部分の多くを占め、

能力差のほぼ9割はIQではなくEQにあるいうものです。

ゴールマン氏は2009年にEQを発展させた
SQ (Social Intelligence Quotient:社会性の知能指数)
を発表致しました。

SQはEQと同じように、
優れたリーダーはSQが高いというものです。

SQが高いリーダーの特徴は、下記のようなことが上げられます。

・ビジョンを持っている
・決断力がある
・地位に見合った責任を取る
・部下の話でもきちんと聞く
・謙虚
・励ます
・自分の権限をメンバーと共有する
・情報を共有する
・根性が座っている
・ユーモアがある
・共感力がある
・誠実

上記のような事項は、
管理職者として、当然身につけておかなければならない事項として、
日常一般的に言われていることともいえます。

「VUCA(ブーカ)」
(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、
 Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)

といわれる今の時代へ対応し、
管理職者として業績を上げ続けるためには、

管理職者として一層自分自身を
ブラッシュアップしていくことが重要です。

そのためには、
管理職者の業績と大きく関係するといわれる

SQのような能力も今一度見直して、
意識的に職場で実践していくことも重要です。

■管理職者に必要な「冷静な頭脳と温かい心」  

一橋大学名誉教授、野中郁次郎氏と
東洋大学名誉教授、山口一郎氏の共著

「直感の経営」(2019年3月発行)の中に
下記のような記述があります。

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最近の脳科学の研究では、
「心」は脳にあるという伝統的な考え方に対し、

心は脳だけによって構成されているのではなく、
身体や行動、環境との関係性のなかから

初めて「心」というものが生まれるとの
見解が主流になってきている。

冷静な頭脳と温かい心が、我々が日々直面する
理想と現実、アートとサイエンス、変化と安定、感情と知性など、

両極間のジレンマを動的にバランスを
とりながら両立する原動力になります。

「たんなる金儲け」を超えて、
志を高くもちながら現実的に価値創造を実践する姿勢は

日本的経営が元来持ち合わせていたものであり、
それを再評価することがAIと共創する時代の鍵となるでしょう。
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部下の方は、上司が語る理屈だけではなく、
日常の仕事ぶりや行動、話すときの身振りなど、

上司の言動すべてから上司の「心」を読み取ります。

管理職者の仕事に人間性とか人格とか
関係ないと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、

管理職者には、
「冷静な頭脳と温かい心」が求められます。

理屈だけではなく、
人が持つ感情、心もよく理解した言動が求められます。